- Vol.64 November 2007 -


果汁のこと

厚労省が平成19年3月に新しい「授乳・離乳の支援ガイド」を示しました。その中で果汁のことが書いてありますので、お知らせしておきます。

今までは、離乳食を始める前に果汁を飲ませるというのが普通でした。これは乳以外の味にならすということと、匙の感触になれさせておくという理由からでした。

しかしこのようなとき、ややもすると果汁を飲みすぎて、母乳やミルクの飲み方が少なくなったり、離乳食の食べ方にも影響したりします。

実際にも果汁ばかり飲んでいて、赤ちゃんが低栄養になったという例があるといいます。

またふつうに果汁を与えるときはスプーンを使いますが、離乳食を始める前はまだ「哺乳反射」で乳という液体を飲んでいます。

お母さんの軟らかい乳首や哺乳びんの乳首から、乳を飲むときも、赤ちゃんは哺乳反射で飲んでいます。

哺乳反射があるうちは、スプーンのような硬いものをロに入れると押し出してしまうのです。

これが「押し止し反射」です。

離乳食が与えられるのは、押し止し反射が弱くなってからです。

そこでスプーンを使って飲せるのも、押し止し反射が激減してスプーンを受けつけるようになってからとなったのです。

果汁そのものは赤ちゃんにとってよい飲み物ですが、飲ませすぎやすい、また早くからスプーンを使うのは適当でないということから、離乳期前の果汁は止めることになったのです。

以上から果汁を飲ませるのは離乳食が進んで、赤ちゃんがスプーンでも飲めるようになってからにしましょう。

このときも飲みすぎて、離乳食に影響がないようにしましょう。



プロフィール

(こうのごろう)
東京大学医学部卒業。小児科医。市立札幌病院小児科医長、都立駒込病院副院長、都立府中病院長、東京家政大学・聖徳大学教授、(社)日本小児保健協会会長(現 顧問)、日本保育園保健協議会会長(現 顧問)、(社)全国ベビーシッター協会会長を経て、現在、こどもの城小児保健クリニック院長、(社)母子保健推進会議会長、(社福)日本保育協会理事、(社)全国ベビーシッター協会名誉会長。

(著書)
子どもの健康を考える(単著)2003年 フレーベル館、赤ちゃんが書かせてくれた−小児科医からママへの手紙(単著)2004年 赤ちゃんとママ社、こころがホッとするnew育児法(単著)2005年 講談社、保育保健の基礎知識(編著)2006年 小児医事出版社、新・小児保健(編著)2007年 診断と治療社、0歳児・1歳児・2歳児のための乳児保育(編著)2007年 光生館。


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